1/26/2021

2011年のBEST!!

意外にも前回が好評でしたのでなんとかモチベーションを保てています。みてくださった皆さんありがとうございます! 
ということで今回は2011年のご紹介です。重ねてになりますが、あくまで個人的なランキングなので「あれ入ってないよ!」みたいなのが多数あると思いますがご容赦を。しかしこの年も10曲じゃ当たり前の様に足りませんでした。絶対にやらないけれど年代別の DJ Mix とかあっても面白そうですね。





さて 2011年ですが、日本国内では東日本大震災があり、大きな影を落とした年でもありました。ドラムンベースシーンも海外のアーティストが日本の為に色々なサポートをしてくれたり、自分達周りでは Human Elements として Something We Can Do というチャリティーコンピレーションをリリースしたりと、ドラムンベースももちろんですが日本も激動の一年でした。

前回述べた様に Autonomic 以降の流れがまだ微かに続く年代でもありましたが、前年よりはフロアライクな曲も出てきた年代の様に感じます。そんな中、Dub Phizix & Skeptical feat. Strategy - Marka の様なドラムンベース史に残る大クラシックも産まれ、シーンも多いに賑わった様に思います。
少しだけ Marka について。リリースは2011年12月末。10月か11月に Exit Records や dBridge が SNS で謎の民族衣装っぽいのを着た男性の写真をアップしてDNB界隈では「なんだあれ?」とちょっと話題に。その後ショートムービーがアップされつつもなんとなくリリース直前まで全貌があきらかにされない感じでした。そして12月前半、急に MV がリリースされ、その数週間後に mp3、バイナル とリリースされていく感じ。突如現れたマンチェスターの Strategy という謎の MC と、Dub Phizix & Skeptical という当時はほぼ無名に近かったプロデューサーがハイクォリティなトラックを Exit Reocrds からリリースということで本当に話題になりました。小出しにしつつもリリースまでの時間も短かったのも当時のプロモーションとしては良かったのではないかと思います。
というのも2000年代までのドラムンベースはダブプレート文化というものが非常に色濃く残っていました。ダブプレートとはレゲエ由来の本人だけが持つオリジナルなレコード (例えばその DJ の名前が曲中で歌われていたりするこの世に一枚なもの) ではありますが、ドラムンベース内でいうと、各プロデューサーが信頼できる DJ のみに渡すリリース前の音源を指します。なので一般には普及せず、Andy C や Marky など一部の有名な DJ だけがリリース前の曲をプレイし続け、独占していくという事が長らく続いていきます。インターネットも普及していない時代だったので、リスナーはその DJ がクラブプレイする事でしか聴く事ができない期間が半年から2, 3年続き、悪しき(敢えてここではそう書かせてもらいます)ダブプレート文化のせいで、リスナーの手に音楽が届くまではひたすらに時間がかかったのです。
その点 Marka はほとんど情報を解禁せず、MV を発表してから数週間でリリースまで進めた事により、フレッシュな状態でリスナーの手に曲が届いたのも良かったのではないかと思います。少し関係な話題に外れてしまいましたが、この様に Marka は非常にスピーディーなプロモーションも功を奏して話題を独占していました。

Marka の話だけでもかなり長くなってしまったのでサクッと10曲紹介していきたいと思います。



01. Dub Phizix, Skeptical, Strategy - Marka
まずは前述した Marka。Dub Phizix の曲という印象が強いですが、今では大人気プロデューサーの Skeptical も共作で参加しています。ハーフのリズムに Strategy のオリジナルなフロウが絶妙に絡み合う、ドラムンベース史に残るクラシックの一つと言えるでしょう。個人的には Lynx - Disco Do Do 以来に登場した待望のドラムンベースアンセムだった気がします。


02. Commix - City Section
こちらも Exit Records からのリリース。Commix は2021年現在、一人で活動をしているのですが、当時は2人組みのユニットでした。ただ、この曲あたりを最後に現在の一人の活動に移行したのではないかなと思います。あまり聞き馴染みのない曲かもしれませんが、Commix の楽曲の中でも1, 2を争うほど好きな曲でして、今でもたまに聞いたりプレイしたりしています。収録されている Mosaic シリーズも良い曲が多いのでぜひチェックを。


03. Amit - Doomed Youth
アンダーグラウンドで非常に人気があった Amit のアルバムからのカット。
この人は Autonomic とは関係なく、ダークでハーフなビートを長年作り続けていてまさにオリジナルなプロデューサーと言えるのでは。今だからこそこういうのが見直されても良いのかなと。


04. System - Hold It
MC System として長年活動しており、現在は Mark System 名義で年に一度くらい曲をリリースしている System。過去に Near Miss というアンダーグラウンドヒットを飛ばしましたが、今回はイントロから壮大なシンセコードで「全く印象が違う曲を作ってきた!」と思いきや、ベースドロップで System 節を感じさせる大名曲。


05. Makoto & Deeizm - Untold Remix
2011年にリリースされた Makoto - Souled Out LP より。
Untold のオリジナルバージョンは HE Digital (Human Elements のデジタルレーベル) の001としてリリースされましたが、この Remix も素晴らしいです。ビートのバウンス感も良いし、何より DJ ですごく使いやすかったのを記憶しています。本当にお世話になった一曲で思い入れも強いです。


06. Brookes Brothers - Tear You Down
2000年代中期に DJ Fresh & Adam F による レーベル Breakbeats Kaos から新星の様に現れた Brookes Brothers。華やかなシンセとパワフルなドラムでシーンを席巻しました。そんな中少し遅れてリリースされた彼らの 1st Album からの一曲がこちら。UK はもちろん、日本でもよくプレイされていた印象だし、フロアライクってこういう曲だな という感じ。今聴くとかなりキャッチーな気はするけど、ぜひクラブで聴き直してみたい一曲。


07. Alix Perez, Rockwell, SpectraSoul - Montpellier (feat. Anthony Moriah)
Alix、Rockwell、SpectraSoul と当時のニュースクールドラムンベースプロデューサーが一堂に会したプロジェクト。現在ではシーンのトップを走っている彼らで、特にこの曲は Alix と SpectraSoul の現在の雛形とも言えるのでは。当時はちょっとスネアがいまいちだなーとか思っていた記憶もあるんですけど、今聴くと全然正解ですね。すみませんでした。。


08. Icicle - Dreadnaught feat. SP:MC
Icicle も同じくニュースクールを担っていたアーティストの一人で、当時出す曲全てがオリジナリティがあってすごく良かった。この曲も普段あまり楽曲でボーカルを使わない SP:MC を feat. して、ヘビーだけど洗練されたトラックに仕上がっています。今聴いてもかっこ良いです。


09. Chase & Status - No Problem
自分ではプレイしたことはないんですけど、こちらも2011年から産まれたクラシックの一つと言えるでしょう。個人的にはこのアルバムはあまり好みではなく(その前のアルバム More than Alot が良すぎた)、ほとんど聴き込んでいないのですが、この曲は Andy C を始め多くの DJ のオープニングトラックとしてプレイされていましたね。


10. Velocity & Key - Ladder VIP
自分の曲をベストに入れるのはちょっと違う気もするんですが、思い入れも強いし、多くの人に聴いていただいたので入れてみました。オリジナルバージョンは先ほども書いた東日本大震災へのチャリティーアルバム Something We Can Do に収録されています。オリジナルは静かな曲だったのでクラブでなかなかプレイする機会が無かった為、自分がクラブでプレイする用に作ったのがこの VIP バージョンでした。のちにリリースされる EP に収録されるのですが、この曲を入れることが決まってから EP を製作した様に記憶しています。今でもプレイするたびに当時のことを思い出しますし、自分の中でも記憶に残る一曲です。



と、2011年も振り返ってみました。
この年はモンスターチューン Marka がやはり印象的ですね。MV もYouTube に現在もアップされているので観たことがない人はぜひチェックしてください。
次回は2012年! こちらも良い曲がたくさん眠っていますのでお楽しみに。


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