1/19/2021

2010年のBEST!!

勝手に始まった企画、2010年代 各年のBESTをつらつらと書いていこう というコーナー。
昨年末に rekordbox 内のフォルダ分けを綺麗にするべく、昔の曲もかなり聴いていたためこの企画が成立したのかなと。自分的には失われた10年だったかな? なんて悲観的に思っていた部分もあったのですが、しっかりと年代別に良い曲が沢山ありました。当時は思わなかったけど、今聴くと素晴らしい なんていう曲も多数ありセレクトするのはとても楽しかったです。その分むちゃくちゃ大変でしたが。。
では全体的な流れを述べつつ、各曲の解説を軽くしていこうかなと思います。自分への備忘録的側面もありますが、この年代はドラムンベースを聴いていなかった人へのちょっとしたきっかけになるのが一番良いかなと思いました。サウンド的に現代とはちょっと雰囲気が違うのでプレイで使うのが難しいかもしれませんが、そこをうまくミックスするのが DJ だと思うのでぜひトライしてみてください。



まずは2010年。
この辺りの年代を語るのに必要なのが2008年から2009年辺りで Exit Records 主宰 dBridge と 盟友 Instra:mental が掲げた Autonomic というスタイル。ディープでアトモスフェリックかつ古き良きシンセサウンドを打ち出したドラムンベースが当時新しい風をシーンに送り込んで一斉を風靡します。Autonomic は本当に多くのアーティストに影響を与え、テクノやエレクトロニカアーティストがドラムンベースに傾倒していく流れを作り、その逆も多くありました。僕も御多分に洩れずこの流れで Jimmy Edgar を知り、完全にノックアウトされた記憶があります。
その Autonomic の流れが徐々に成熟していくのがこの年代。先ほども書いた dBridge, Instra:mental 辺りは自分たちの蒔いた種が実った後なので、この時期には少し落ち着いて(プロデューサーあるあるだと思うんですけど、自分たちでやったことのフォロワーができると、本人は巣立っていくというやつ。天邪鬼的なのね)リリースも結構少なめですが、次世代の Rockwell や Consequence、ASC などが台頭して来る年代でした。さらには dBridge 盟友であり、ユニット Code 3 として SP:MC と一緒に活動をしてきた Jubei が Metalheadz からのリリースで一気にブレイク。同じく Metalheadz や Marcus Intalex、そして DJ Marky によってプッシュされていた S.P.Y もシーンの中心に入り込んでいきます。
もちろんメインストリームも盛り上がってはいるのですが、ディープな流れがシーンを一気に包み込んでいくような年代 ということで曲を個別にみていきましょう。




01. Loadstar - Link to the Past
それまでソロ活動や Hold Tight というグループで活動していた Lomax と Ram Records から地味ながらも良いリリースを重ねていた Xample のコンビ Loadstar。
はっきり言って全くスタイルの違う二人が組んでうまくいくのかな? という風潮もあったし、Lomax に至っては当時ディープな作風で多くの支持を得ていたアーティストだったので Ram Records からフロアチューンを作っていることへの風当たりは結構なものがありました。それでもたまにこのようなちょうど良い塩梅の曲をリリースすることでリスナーを黙らせていたようにも感じます。
当時の空気感でいうと Dimension - UK がリリースされた感じに近いかな。これ伝わりますか??


02. Break & DJ Die - Slow Down
10年近くシーンで活動し続け、多くの支持を集めていた Break 待望の1st Album(だった気が) からのシングルカット Slow Down。フロアキラーとはまさにこのことでプレイされない週末は無かったんじゃないかというくらい様々なパーティーで耳にした曲です。タイトなビートとこのディストーションされたベースがなんとも言えないです。


03. S.P.Y - Legacy 
これまで DJ Marky との共作や、Metalheadz、Soul:R からのリリースでプロップスを得ていた S.P.Y が Innerground から ソロEP をリリース。今聴いてもこの Frostbyte EP は傑作だなと思うのですが、中でも個人的に気に入っているのが Legacy で、Soul:R の流れを引き継いだ曲になっているような気がします。とにかくその他の曲もかっこいいのでぜひ聴いてみてください。今でもそうですが、S.P.Y は DJ Use な曲を作るのが本当に上手だなと感心します。


04. Jubei - Patience feat. dBridge 
アンダーグラウンドな活動を行ってきた Jubei がいよいよメジャーなシーンに登場。
上記にあるように SP:MC とともに Code 3 というユニットで活動をしており、2009年代にはいくつか主要なリリースを終えてからの満を持して登場。
この Patience もクラブでは頻繁にプレイされており、シンプルな構成ながらもビートのかっこよさでグルーブをキープ。Stab や刀を抜くような SE も特徴的で、ベースドロップ前のボーカルには dBridge を起用している点もグッド。


05. Commix - Belleview (dBridge Bell Reviewed Remix)
大傑作アルバム Commix - Call to Mind からの Remix LP がリリース。数多くの名作 Remix がありましたが個人的に好きなものはこの dBridge Remix。ちょっと抑え気味なドラムにドライブしたベースがよく合う良Remix。今原曲も聴き直しましたがそっちも流石にかっこよかった。。。
Remix LP自体はドラムンベースは少ないですが、かなりクォリティ高いのでそちらもぜひ。


06. Rockwell - Stowaway Dub
現行シーンの Rockwell と言えば、強烈な音圧とユニークなサウンドでフロアチューンを作るイメージがあると思うのですが、当時の彼はどちらかというとアンダーグラウンドなサウンドでデビューし、時代を切り開いた若手のホープ的な立ち位置。この Stowaway Dub も複雑なプログラミングを駆使し、Autonomic の影響を受けつつ、よりダークな雰囲気を醸し出す名曲です。それまで比較的ダビーな印象の曲を多く発表していた Digital Soundboy からのリリースですが、さすが Shy Fx は目の付け所が違うなー と感心していた記憶があります。


07. Genotype - Version 
90年代に Renegade Hardware 等からリリースを重ねていましたが、2000年初頭から目立った活動がなかった Genotype が復活し、発表したアルバムからの一曲。これはかなりダビーな雰囲気ですが、やはり Autonomic 以降の流れを受け継いだ曲と言っても良いのではないでしょうか。それまでいわゆる Half な雰囲気のリリースはありましたが、この辺りからそのサブジャンルが定着してきたのではないかと思います。


08. 8-Bits - On Your Mind
Total Science の一人 Paul Smith と S.P.Y によるユニット 8-Bits。リリースは数曲とかなり少ないですが、どの曲もさすがにクォリティが高いです。こちらも先ほどの Rockwell と同じく Shy Fx による Digital Soundboy からのリリース。この時期の Digital Soundboy はリリース量も多く、勢いが本当に凄かったです。現在でも Total Science と S.P.Y はコラボを続けていますのでまだまだ色々な作品を発表していくと思うので期待。


09. Random Movement - Waterlogged 
個人的に All Time Favourite 10 に入るくらい好きな曲で、今でもプレイする彼の代表曲です。イントロからアウトロまで全く隙がなく、ビート、ベース、サンプル、ブレイクダウン、展開、すべてパーフェクトな曲はなかなか無いんじゃないかなと。ドラムンベースとしてだけではなく、一曲として完成度が高いので聴いたことがない方はぜひチェックしてみてください。こんな曲が作りたいな。


10. Calibre - Even If 
Calibre のこの曲も外せないでしょう。
彼のアルバム Even If からのタイトルトラック。64小節の壮大なイントロからパワフルなドロップが来ますが、決してイントロの空気感が損なわれない大名曲。ボーカルは彼自身が務めているはずです。この少し前くらいから feat. 以外でのボーカルは自身の声を使っていることが多いでしょうか。
ちなみに今月か来月に出る彼の LP は16作目らしいです。すごすぎる! 



と2010年のベスト10をアップしてみました。あ、これ聴いたことある とか 知らなかったけど良い! みたいなのが見つかってくれると嬉しいです。
しかし書くのに労力を使うので一週間に一つポストできれば良いかな。。遅れちゃっても気長にお待ちください。


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