9/21/2015

Ultra Music Festival 後記

所謂 "ウルトラ" というものに行ってきました。UMF Japanというやつですね。ラインアップ的に琴線に触れるものは無かったのですがSub FocusのMCを勤めるMCIDさんと面識があり、ラインアップがアナウンスされたと同時に「遊びにくる??」って連絡が来たのでありがたくお呼ばれされてきました。正直去年とかの色々なネガティブな感想を聞いていたので期待はそこまでしていなかったんですけど思った以上に楽しめました。音楽的に楽しかったというよりも、凄く冷静かつ客観的にフェスというものを楽しんできました。

全体的なインプレッションをつらつらと
元々野外があまり好きではなかったので長時間きついかなーと思ったんですけど、会場も広く、出入りも自由(これは後述しますがちょっと問題点あり)だったので圧迫感も無く良かった。ドリンクが高いと聞いていたのですが一般のブースはそんな事無く、むしろクラブより安いんじゃないかな。VIPはコーラ1杯2000円なんて話も聞いていたのでハードルが上がっていた分かなり安く感じられました。フードもあったけど食べなかったので値段は見ていません。会場が広いと書いたのですが全体的な広さは爆発的ではなく、ステージ間の移動がちょっとかかる感じ。VIPパスをもっている人はメインステージとサブステージを比較的楽に移動出来るのですが、一般の入場者はメインステージの裏からぐるっと測道を廻っていかないと入れない仕組みで、それが混雑すると端から端までの移動に10分弱かかるかなという印象。全然許容範囲ですが、あのアーティストのオープニングを見逃した!! という人も多かったんじゃないかな。最終3日目だけ行く人はお気を付けを。
先ほど出入り自由と書きましたが、エントランスで配られるリストバンドがあればどこでも移動出来るので外にも行けちゃう。開催地はお台場なのでビーナスフォートやダイバーシティーなど目と鼻の先なのでそちらで食事も出来たりする。僕も会場内で食事する気はあまりなかったのでダイバーシティー(ガンダムがある所ね)で食事をしたんですけど、明らかにいつものお台場の客層と違う。多くの家族連れや年配の方もいる中で騒いでいる輩が多すぎて本当に辟易としました。一般の方もいるようなフードコートで大きな声で歌ったり常識が無さすぎて本当にひどかった。お手洗いもお借りしたのですが、個室には大量のゴミが落ちているし。。。フェスに行っている人の中にはクラブ通いしている人もいると思うし、一般的な人の感覚では "フェスに行く層" = "クラブに行く層" だと思うので、クラブのブラックなイメージが拭い去れるのはもっと先なんだなーと感じた。運営する方はなるべく他の施設で粗相が無いよう、多くの人を配置して頑張っていたとは思うのですが、それ以上にマナーの悪い人が多かったという事ですね。これはこういう都市型フェスだけじゃなくて花火大会とかそういうものにも通じると思いますが。
ネガティブじゃない話でいえば、来ているお客さんがすごく楽しそうにしていたのがとても印象的。あまりフェスに行かない僕がびっくりしたのは、かなり多くの人がウルトラのグッズを買って、それを身につけ楽しんでいるという事。いわゆるマーチャンダイス的なものって買ったらロッカーにしまって記念に取っておいたり後日身につけたりっていうのが多いのかなーなんて安直に思っていたんですけどね。。。あとペアルックというかみんなで衣装を揃えて遊びにくるっていうのが多いんですね。みんな一体感というものを楽しんでいるようで見ていて面白かったです。

さて音楽的な事
音質でいえばメインフロアは思ったよりもパワフルで、ある程度どこにいてもちゃんと音が届くような設定。その分、会場外にも音が凄い出ちゃうんですけど仕方なさそう。
僕はドラムンベースが好きなので基本ドラムンベースアーティストで構成されているサブフロアにいたのですが、そちらはちょっとアーティストがかわいそうでしたかね。105db制限があったらしく音量も足りないし、サブはかなりカットされている印象で、曲によっては何も聞こえないみたいな曲もあったり。これが都市型の難しい所なんですかね。まあお台場だしね。。。笑

諸事情あり早めに会場入りしたので全てのDJを見ました。オープニングのDJは割愛しますが(笑)、その他のアーティストのプレビュー。全編偉そうに書きますがご容赦を。

Ymasaくんはこういう大型フェスに出るのは初めてだったと思うんですが、堂々としていました。彼の初期の頃から見ているんですがその頃からは想像出来ないほど。選曲的には結構好きだったんですけど、やはり大きな所で響く音っていうのを経験していかないとなかなか難しいんでしょうね。この辺は僕も全くわからないので何ともいえないんですが、クラブとフェスのお客さんに響く選曲は全く違うんだなーとは感じました。一回これを経験したので次はもっと良い感じになるんじゃないかな? あととにかく音が小さくて本当にかわいそうだったなー。。。

お次はAKiさん。AKiさんに変わった瞬間に雰囲気かわったので、この方やはり何か持ってるんですよね。AKiさんも抜群にフェス馴れしてるわけじゃないと思うんですけど、しっかりと雰囲気に合わせた選曲でした。あとこのステージでDubをがっちりと使っていたのってAKiさんとChase & Statusだけだったと思うのでそういう意味でDJだなーと。他のDJの人はいわゆるアンセム連発系だったので。

Sigmaは裏のEMMAさんも見ていたのでほとんど聞いてないんですけど、自分の曲を中心にたまにクラシックを挟んで来るスタイル。僕ですら聞いた事ある曲がかなり多かったのですでに発売されていて、みんな知っている曲をさらっとプレイする感じでしょうか。僕が聞いていない時間帯はいわゆるEDM的な選曲だったみたいです。

で、その裏ではEMMAさんがプレイ。この全体的なラインアップの中、EMMAさんがプレイしているっていうのはかなり異色だと思うので絶対聞いてみたかったんですが。。。すでに色々な所で論議されていますが、まーーーお客さん踊らない笑  やはりメインステージはEDM待ちという雰囲気がありありと出ていて、EMMAさんが変わるまで待ってる空気が凄く出ていたんです。これはちょっと悲しかったですが、やはり知っている曲がプレイされたり、バンギンなシンセやパンチーなキックが無いと踊れない体になっちゃってるし、あまりにもお客さんがデジタル馴れしすぎちゃってるんじゃないかな。個人的にはその他諸々思う事はあるんですけどこれくらいにしておきます。ちなみに僕は熱烈ファンな訳ではなくフラットに見た印象です。

お次のサブフロアはPendulumさん。MCはお馴染みのVerseでしたね。ちなみにVerseはCrunch RecordingsっていうかっこいいDNBレーベルをやっていたのでチェックしてみてください。本人もトラックメイクしていてかっこいいですよ。DJに関しては特に記す事も無いんですよねぇ。。やっぱりRobのDJの方が好きだ(あの伝説のEssential MixもRob)。。。とりあえず1曲目は安定のBlood Sugarでしたよ!

その次がChase & Status。今回のメンバーの中では一番気になっていたアーティスト。ビッグになってからは一度も聞いてなかったのでどんなプレイするかなーと期待していました。

去年のCulture Clashで久々にその姿を見て、こういう感じだったら面白いかなーと思っていました。今回はもちろんShy Fxもいなかったのでここまでは期待出来なかったのですが、これのちょっとダウングレードっぽいのも披露してくれて面白かったです。あとMCのRageが凄く丁寧に曲紹介をしてくれたのでこちらとしては助かりました笑  知らない曲がいっぱいあったのですが、それらはChase & Statusの新しい曲らしくとても良かった。結構BPM縦断系のDJで、いきなりNas - The Donをドロップしたり興味深かったです。

最後はSub Focus。裏がメインステージのオオトリだったのでちょっと集客的にかわいそうでしたがいわゆるSub Focus節っていう選曲でお客さん凄く喜んでいたように見えました。昔はあんなに静かにDJしていたSub Focusも今ではちゃんとステージングがしっかりしているし、ひげも生えて風格が出てきましたねぇ。最近アルバム出していないと思うのでそろそろ出そうな気もしますがどうでしょうか??

ついでにメインの方も。
メインはほとんど覗いていないのであまり書く事が出来ないのですが、いわゆる想像していたEDMっていうのはあまり耳にしなかったんですよね。今更 "EDMはださい" とか言うつもりもさらさらなかったんですけど、そんなにださい曲はかかっていませんでしたね。そもそもEDMって何だろうなーってちょっと考えさせられました。僕もメディアに踊らされていたのかなと。


とつらつら書きました。書きはじめたら本気になっちゃってこれだけ書くのに既に1時間近く経過してるんですが、、、涙
凄く感じたのはこういうフェスはみんな DJ聞きにきてるんじゃなくて曲聞きにきている という事。みんなPendulumのDJが聞きたいんじゃなくてPendulumのBlood Sugarが、SigmaのDJが聞きたいんじゃなくてSigmaのNobody To Loveが聞きたいという話。多分それはメインステージでも同じことで、この繋ぎがどうこうじゃなくてその曲が聞きたいと。この曲のシンセがどうこうじゃなくてその曲をみんなで合唱したいと。そこがフェスとクラブと大きく違う所なんですね。クラブも最近そういう方向になってきているように感じますが、結局そういう事だと思います。僕はそれを好みませんが、それが悪い事でもないと思うし、各々みんな楽しんでるし良いなーと。

すごく開放感があって楽しいんですけど、この導線をクラブに繋げるのって実はすごく大変なんじゃないかと。単純にこの10%がクラブに来てくれたら良いよね〜なんて単純な話ではないと思ったし、クラブからフェスは問題ないと思うんですけど、フェスからクラブって実はすごく敷居が高いんじゃないかな。フェスのあの開放感を味わったあとに、密閉された空間のクラブに行ってみて "楽しい!" と思わせられるか?? というのは単純に疑問が沸いちゃいました。サブのDNBルームの方ではそんなに印象は受けなかったんですけど、メインの方は特に。。。音楽好きだけどクラブには行かないでフェスだけ行くっていう層がいるのも納得出来ちゃう話だなと。これも話し出すといくらでも話せちゃうので割愛しますが、EDMの難しさって 聞く場所を極端に選ぶ というのもある気がしました。

長々と中身の無いレポートブログになっちゃいました。。。
そこまで期待していなかった分、とても面白い経験になりましたし、普段は暗い所に潜っている僕ですが、年に1, 2回だったらすごく楽しめる空間があるんだなーと。来年もDNBフロアがあったら遊びに行ってみたいかな。うーん けどやはり夏はSun & Bassにいきたい笑

運営の皆さんは最終日まで気が抜けないと思いますが頑張ってください。みなさんゴミはちゃんとゴミ箱へ! 色々な場所に設置してありますよ!!


v

3 件のコメント:

  1. 詳しいレポートお疲れ様です。こういうフェスの中でドラムンベースの立ち位置は難しそうですね。
    最近のSub FocusやChase & Statusの曲はEDM全体の雰囲気にも合致しそうかなと思いましたが。
    マナーに関しては改善されていくといいですね。エレクトロミュージック全体の社会的なイメージがこれ以上悪化することは避けて欲しいところです。

    ところでRob SwireによるPendulumのEssential Mixって…2005でしょうか?
    選曲のバランスや繋ぎが好きで今でも度々聴いています。逸話をご存知でしたら是非教えて頂きたいです。

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    1. コメントありがとうございます。
      ドラムンベースフロアで呼ぶアーティストとしてはかなりマッチしていたような感じがしました。マナーに関しては社会全体の問題だとは思うので安易にクラブ界隈が というものでも無いのですがね。。
      RobのMixに関してはまさに2005のEssential Mixです。よくご存知で! 2005年にRobがPendulumとして初来日し、Essential Mixがアップされた直後だったんですが、その時のトラックリストがまさにEssential Mixという感じだったのであのMixはRobのものだったんじゃないかなーと。確定ではないですけどね。。メインコンポーサーもRobですしDJもうまかったのですごい人だなーと思っていました。
      ちなみにその来日で彼は日本に携帯電話を忘れて、郵送で送ってあげたら当時まだ未発表だったBlood SugarとPlastic World VIPを送ってくれました笑 Blood Sugarは世に発表されているバージョンとは違うのでかなり貴重だと思います笑

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    2. なるほど、ありがとうございます。Pendulum大ファンなので羨ましい限りです。その当時のRobに会いたかった…。

      Blood Sugarは'Okay, Fuck It, I lied, Its Drum & Bass'のものとも違うんでしょうか…?
      Plastic World VIPはこのEssential Mixでも印象的な使われ方をしていますね。
      The Terminal、Slam、Girl In The Fire、Hold Your Colour…と、他にも市場では手に入らないVIPが多くてそれだけでレアな感じがしますし、ドラムンベースのセットに突然Billy Corganが登場する選曲も意外な上に上手くまとまっていて感心します。同郷のShockOneのThe Riddlerがひっそりプレイされている点も、5年後のEssential Mixの時はPolygonで大化けしてるんだよなぁ…という後々の流れを考えると他人事ながら感慨深いです。


      このコメント一度投稿したつもりだったんですけどどうも出来ていなかったようなのでもう一度…。二重になっていたらごめんなさい。

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